【MAMP】無料でWordPressをローカル環境にインストールする方法
ワードプレスを無料でローカル環境(自分のパソコンの中)で試してみたい方は必見です。
MAMPを利用すれば手軽にワードプレスの操作やテーマのテストを安全に行い、自由にwebサイトやブログの構築ができます。
本記事では、初心者にも分かりやすくMAMPについてやローカルにワードプレスをインストールする手順を解説していきます。
MAMPとは
MAMPは、”Macintosh, Apache, MySQL, PHP”の各単語の頭文字を取った名称です。
これは、上記4つのソフトウェアを一つにまとめたパッケージを指し、これによってユーザーは簡単にローカル環境を構築することができます。
MAMPを使用することで、開発者はローカル環境でウェブアプリケーションの開発やテスト、Wordpressのテスト運用を行うことができます。
- Macintosh
- Apache
- MySQL
- PHP
Macintosh
MacintoshはAppleのデスクトップおよびラップトップコンピュータのシリーズを指します。
MAMPは、これらのマシン上で動作します。
Apache
Apache HTTP Serverは、世界で最も人気のあるWebサーバーソフトウェアの一つです。
Webサーバーは、webブラウザ(例えばGoogle ChromeやSafari)からのリクエストを受け取り、それに対するレスポンス(通常はwebページ)を返します。
MySQL
MySQLは、世界で最も広く利用されているオープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)の一つです。
WordPressのデータ(例えばユーザー情報やブログの記事など)は、通常、MySQLのようなデータベースに保存されます。
PHP
PHPは、ウェブ開発で広く使用されているスクリプト言語です。
PHPは、ウェブサーバー上で実行され、動的なwebページやwebアプリケーションを生成します。
これらを組み合わせることで、MAMPはローカルでweb開発環境を作り出すことを可能にしています。
これにより、開発者は自分のコンピュータ上でwebサイトやアプリケーションを構築、テスト、デバッグすることが可能になります。
MAMPとXAMPPの違い
MAMPの他によく出てくるのがXAMPPです。
MAMPはMac専用の開発環境であるのに対し、XAMPPはクロスプラットフォーム(WindowsやMac、Linux)で利用可能で多くのプログラミング言語をサポートする開発環境です。
どちらを選ぶかは、利用するプラットフォームや必要な機能によって変わってきます。
MAMPとXAMPPの比較表
項目 | MAMP | XAMPP |
---|---|---|
対応プラットフォーム | macOS、Windows | macOS、Windows、Linux |
サーバーコンポーネント | Apache、MySQL、PHP | Apache、MySQL、PHP、Perl、phpMyAdmin、FTPサーバー |
インターフェース | MAMPアプリケーション | コントロールパネル |
設定の簡易性 | 初心者向けで簡単に設定できる | 初心者向けで簡単に設定できる |
拡張性 | 拡張性は限定的で、基本的な機能に特化している | より広範な機能とツールを提供 |
用途 | ローカル開発やテストに最適 | ローカル開発やテストに最適 |
サポートとコミュニティ | MAMP公式サポートやフォーラムが利用可能 | XAMPP公式サポートやコミュニティが利用可能 |
有料版 | MAMP Proが利用可能 | XAMPPには有料版は存在しない |
MAMP
MAMPは、その名称が示すように、元々はMac専用の開発環境として設計されました。
しかし、現在ではWindowsでも利用することが可能です。
MAMPは設定が非常に簡単で、初心者でも手軽に開始できることが特徴です。
また、無料版と有料のPro版があり、Pro版では複数の仮想ホストの管理やメールサーバーの設定など、より高度な知識が必要になってきます。
XAMPP
一方、XAMPPはWindows、Mac、Linuxといったさまざまなプラットフォームで使用することができます。
XAMPPの「X」は「クロスプラットフォーム(Cross-platform)」を意味します。
XAMPPにはApache、MySQL、PHPの他にも、Perlという言語が含まれています。
さらに、TomcatというJavaサーブレットコンテナもパッケージに含まれています。
このように、XAMPPはさまざまな言語・技術をサポートしていることが特徴です。
簡単に言うと、MAMPはMacとWindowsでの利用がメインで使いやすさに重点が置かれている一方、XAMPPは多くのプラットフォームで使用でき、より多くのソフトウェアをサポートしているという違いがあります。初心者の方はまずは使いやすいMAMPを選びましょう!
MAMPとMAMP Proの違い
基本的に、MAMP ProはMAMP(無料版)が持つ基本的な機能に加えて、さまざまな機能が追加されています。
これらの追加機能は、複数のプロジェクトを同時に開発する必要がある、またはより高度なローカル開発環境を必要とする開発者にとって非常に便利です。
機能 / 版本 | MAMP(無料版) | MAMP Pro(有料版) |
Apache | ✔️ | ✔️ |
MySQL | ✔️ | ✔️ |
PHP | ✔️ | ✔️ |
仮想ホストの設定 | ❌ | ✔️ |
メールサーバー | ❌ | ✔️ |
ダイナミックDNSサービス | ❌ | ✔️ |
Python, Rubyランタイム | ❌ | ✔️ |
データベース管理ツール | ❌ | ✔️ (phpMyAdmin, phpLiteAdminなど) |
MAMP(無料版)
MAMPは、基本的なローカルサーバー環境を提供します。
それにはApache、MySQL、PHPが含まれており、これらはローカルでwebサイトやwebアプリケーションの開発とテストを行うために必要最低限の機能を提供しています。
MAMP Pro(有料版)
一方、MAMP ProはMAMPの高度なバージョンで、より多くの機能とオプションが含まれています。
以下にMAMP Proの主な追加機能をいくつか紹介します。
- 複数の仮想ホストの設定
- メールサーバー
- ダイナミックDNSサービスのサポート
- 追加のランタイムとツール
複数の仮想ホストの設定
MAMP Proでは、複数の仮想ホストを作成してそれぞれに異なる設定を適用することが可能です。
これにより、同一のマシン上で複数の異なるwebサイトやwebアプリケーションを同時に開発することが容易になります。
メールサーバー
MAMP ProにはPostfixというメールサーバーが組み込まれており、ローカルでメール送信のテストが行えます。
ダイナミックDNSサービスのサポート
ダイナミックDNSサービスを利用して、インターネット上の任意の場所から自分のローカルサイトにアクセスすることが可能です。
追加のランタイムとツール
MAMP Proでは、PythonやRubyといった他のランタイムや、phpMyAdminやphpLiteAdminといったデータベース管理ツールが利用可能です。
以上のように、MAMPは基本的なローカルサーバー環境を提供する一方で、MAMP Proはより高度な機能と柔軟性を提供します。初心者の方は無料版で十分ですが、のちに慣れてきたら、MAMP Proの利用を考えても良いかもしれません。
MAMPの使い方
それでは、MAMPを使ってWordPressをインストールする手順を説明します。
ステップ1: MAMPのインストール
MAMP公式ウェブサイトへアクセス
まず、MAMP公式ウェブサイトへアクセスします。
Webサイトのトップページに「Free Download」というボタンがあるので、それをクリックします。
MAMPのダウンロード
ご希望のOSをクリックし、ダウンロードを開始する。
インストール開始
ダウンロードが完了したら、MAMPのインストーラーを開きます。
指示に従い、設定を進めインストールが完了するまで数分間待ちます。
セットアップの完了
インストールが完了すると、「The installation was successful.」と表示されます。
ステップ2: MAMPの起動
MAMPを起動します。
そして、「Start」ボタンをクリックしてApacheとMySQLのサーバーを起動します。
ステップ3: データベースの作成
MAMPの開始ページへアクセス
MAMPを起動したら、Webブラウザを開き、MAMPの開始ページ(通常は「http://localhost:8888/MAMP/」)へアクセスするかMAMPのアプリ上で「WebStart」をクリックします。
phpMyAdminへアクセス
MAMPの開始ページにはいくつかのメニューが表示されています。
MySQLを開き、その中から「phpMyAdmin」を選択します。
phpMyAdminからデータベースを選択
phpMyAdminの画面が開くと、「データベース」タブが見えます。
ここをクリックします。
データベースの作成
すると、「データベースの作成」エリアが表示されるので、新しいデータベースの名前を入力します(名前は英数字で、特殊文字やスペースは含めないようにしましょう)。※データベースの名前はWordpressとの関連性がわかる名前にしましょう。
また、「照合順序」の設定も行うことができますが、通常はデフォルトの設定(「utf8_general_ci」)で問題ありません。
データベース名を入力したら、「Create(作成)」ボタンをクリックします。
ステップ4: WordPressのダウンロード
WordPress公式サイトにアクセス
最初に、WordPress公式サイトにアクセスし、「WordPressを入手」をクリックします。
WordPressをダウンロード
「WordPress6.2.2をダウンロード」をクリックしダウンロードを開始します。
ファイルを解凍
ダウンロードされるファイルはzip形式なので、適当な場所に展開しておきます。
ステップ5: WordPressファイルの配置
フォルダのコピーまたは移動
MAMPの「htdocs」フォルダ(通常は「/Applications/MAMP/htdocs/」)に、先程展開した「wordpress」フォルダ全体をコピーまたは移動します。
この「htdocs」フォルダは、MAMPがwebサイトのファイルを参照するディレクトリ(場所)であり、ここに配置したファイルはwebブラウザからアクセスできます。
フォルダ名の変更(オプション)
必要に応じて、「wordpress」フォルダの名前を変更します。
この名前は、後でブラウザからローカルのWordPressサイトにアクセスする際のURLの一部となります。
例えば、フォルダ名を「mytestsite」に変更した場合、WordPressへのアクセスURLは「http://localhost:8888/mytestsite」になります。
以上がWordPressのファイル配置の手順です。この手順により、ローカル環境にWordPressのインストール準備が整いました!次にWordpressの設定をする必要があります。
ステップ6: WordPressの設定
WordPressセットアップページへのアクセス
まず、ブラウザを開き、新たに配置したWordPressのセットアップページにアクセスします。
URLは「http://localhost:8888/フォルダ名」です(「フォルダ名」はステップ5で設定したWordPressのフォルダ名に置き換えてください)。
正しくアクセスすると、WordPressの「言語を選択」ページもしくは「さあ、始めましょう!」のボタンがあるページが表示されます。
データベース詳細の入力
「さあ、始めましょう!」ボタンをクリックすると、データベースの詳細を入力するページが表示されます。以下の項目を入力します。
- データベース名
- Step 3で作成したデータベース名。例)mytestsite
- ユーザー名
- データベースのユーザー名。MAMPの初期設定では「root」
- パスワード
- データベースのパスワード。MAMPの初期設定では「root」
- データベースのホスト名
- 通常は「localhost」
- テーブル接頭辞
- 必要に応じて変更。複数のWordPressを同じデータベースにインストールする場合には、それぞれ異なる接頭辞を設定します
「ユーザー名」と「パスワード」は「root」と入力し、「データベースのホスト名」と「テーブル接頭辞」の項目はそのままにしておきましょう。
項目の入力が完了したら、「送信」ボタンをクリックします。
WordPressのインストール
入力したデータベースの情報が正しければ、「インストール実行(Run the installation)」ボタンが表示されるページに遷移します。
このボタンをクリックすると、WordPressのインストールが開始され、少し待つと「サイトの情報を入力」ページが表示されます。
サイトの情報を入力
このページで以下の情報を入力します。
- サイトのタイトル
- 作成するサイトのタイトルを入力。例)mytestsite
- 管理者のユーザー名
- 管理人のユーザー名を入力。
- パスワード
- WordPressにログインする際に必要なパスワードを入力。(半角英数字、スペース、下線、ハイフン、ピリオド、アットマーク (@) のみが使用できます。)
- メールアドレス
- 管理人のメールアドレスを入力。
入力が完了し、「WordPressをインストール」ボタンをクリックすると、WordPressのインストールが完了します。
ログインページが表示されるので、先ほど入力したユーザー名とパスワードでログインすれば、WordPressのダッシュボードにアクセスできます。
以上がWordPressの設定手順です。この設定により、ローカル環境でWordPressが稼働し、開発やテストが可能となります!お疲れ様でした!
まとめ
以上が、MacでMAMPを利用して無料でWordPressをインストールする手順となります。
これにより、自分だけのWordPressサイトをローカルで試すことができます。
ユーザーにとって最も重要なことは、自分のペースで学び、試し、成長すること。
ぜひこの記事を参考に、新たなステップを踏み出してみてください。