WordPress(ワードプレス)のユーザー権限にはどんな種類がある?
WordPressは、その使いやすさと柔軟性で広く知られているCMS(コンテンツ管理システム)です。
そんなWordpressには各ユーザーに対して、役割(管理者、編集者、購読者など)を付与できる機能があり、権限によってできることが変わってきます。
本記事では、WordPressのユーザー権限の種類と、それらを理解して活用する方法について解説します。
WordPressについて
WordPressは世界で最も普及しているCMSの一つで、その使い勝手の良さ、拡張性、カスタマイズの自由度の高さから、個人のブログから大規模なニュースサイトまで、幅広い用途に使用されています。
テーマやプラグインを用いて、デザインや機能を容易に追加・変更できるため、技術的な知識がない初心者から、開発者まで幅広いユーザーに支持されています。
WordPressの権限グループには5種類ある
WordPressでは、ユーザーごとに異なる役割や権限を割り当てることができます。
これらは5種類あり「権限グループ」または「ユーザー役割」と呼ばれ、サイト管理者が各ユーザーがサイト上で行える操作を細かく設定するために使用されます。
以下はWordPressで使用される権限グループです。
以下で各ユーザー権限の詳細と一般的な使用例を解説していきます。
- 管理者 (Administrator)
- 編集者 (Editor)
- 投稿者 (Author)
- 寄稿者 (Contributor)
- 購読者 (Subscriber)
5種類のユーザーの権限範囲
機能 / ユーザー役割 | 管理者 | 編集者 | 投稿者 | 寄稿者 | 購読者 |
---|---|---|---|---|---|
サイト全体の設定変更 | ○ | × | × | × | × |
プラグインのインストール/更新 | ○ | × | × | × | × |
テーマの変更 | ○ | × | × | × | × |
ユーザーの追加/削除/編集 | ○ | × | × | × | × |
全ての投稿とページの編集 | ○ | ○ | 自分のみ | 自分のみ | × |
全ての投稿とページの公開 | ○ | ○ | 自分のみ | × | × |
メディアライブラリへのフルアクセス | ○ | ○ | 自分がアップロードしたもののみ | × | × |
コメントの承認/削除 | ○ | ○ | 閲覧のみ | 閲覧のみ | 自分のコメントの閲覧のみ |
サイトのバックアップと復元 | ○ | × | × | × | × |
セキュリティ設定の管理 | ○ | 限定的 | × | × | × |
管理者 (Administrator)
管理者(Administrator)は、サイトの最も高い権限レベルを持つユーザーです。
この役割は、通常、サイトのオーナーや主要な運営者に与えられ、Wordpressサイトの全側面を管理および設定するためのアクセス権を持っています。
管理者(Administrator)が持つ権限
管理者はサイトの全側面を管理することができます。
これには、プラグインのインストールと更新、テーマの変更、他のユーザーの追加と削除、サイトの重要な設定の変更などが含まれます。
管理者(Administrator)の一般的な使用例
サイトの主要なオーナーや開発者がこの権限を持ちます。
編集者 (Editor)
編集者(Editor)は、サイトのコンテンツ管理に特化したユーザー権限です。
編集者(Editor)が持つ権限
編集者はサイト上の全ての投稿とページにアクセスして編集することができます。
また、コメントの承認や削除、メディアライブラリの管理も行えますが、サイトの設定やテーマ、プラグインの変更はできません。
編集者(Editor)の一般的な使用例
主にコンテンツ制作チームやライターがこの役割を担います。
投稿者 (Author)
投稿者(Author)は、特定のコンテンツ制作と管理ができるユーザー権限です。
投稿者は自分自身の投稿に対して比較的高い権限を持ちますが、サイト全体の設定や他のユーザーの投稿に対する権限は限られています。
権限
投稿者は自分自身の投稿を作成、編集、公開、削除することができます。
しかし、他のユーザーの投稿を編集することはできませんし、サイトの設定にアクセスすることもできません。
一般的な使用例
個々のブロガーやコンテンツクリエーターがこの役割を担います。
寄稿者 (Contributor)
寄稿者(Contributor)は、自分のコンテンツを作成しサイトに投稿することはできますが、それを直接公開する権限は持っていないユーザー権限です。
寄稿者は、コンテンツの提供者として機能しますが、公開プロセスには管理者や編集者の介入が必要です。
権限
寄稿者は自分の投稿を作成、編集することができますが、それらを直接公開することはできません。
また、メディアのアップロードも制限されています。
一般的な使用例
ゲストライターや一時的なコンテンツ提供者がこの役割を担います。
購読者 (Subscriber)
購読者(Subscriber)は、サイトを訪問したりコメントを残すことができるといった最も基本的なユーザー権限です。
権限
購読者は自分のプロフィールを編集することができますが、サイトのコンテンツを作成、編集、または公開する権限はありません。
コメントを投稿したり、特定のコンテンツにアクセスすることが必要な場合に利用されます。
一般的な使用例
一般のサイト訪問者やコメントを残すユーザーがこの役割を持ちます。
権限グループのメリット・デメリット
WordPressのユーザー権限システムは、サイト運営を効率的かつ安全に行うための重要な機能です。
各ユーザーに適切なアクセスレベルを割り当てることで、多くのメリットを享受できる一方で、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。
権限グループのメリット
以下、Wordpressでのユーザー権限システムがあることのメリットです。
- セキュリティの強化
- 他ユーザーの監視と制御ができる
- 効率的に役割分担できる
- ユーザーエクスペリエンスの向上
セキュリティの強化
ユーザーには必要最小限の権限のみが与えられるため、誤操作や悪意のある活動によるリスクが減少します。
他ユーザーの監視と制御ができる
管理者はユーザーの活動を監視し、必要に応じてアクセスを制限または拡張することができます。
効率的に役割分担できる
ユーザーごとに明確な役割と責任が割り当てられ、タスクが効率的に分散されます。また、適切な権限が与えられることで、ユーザーは自分の役割に集中し、生産性を高めることができます。
ユーザーエクスペリエンスの向上
各ユーザーのニーズに合わせてダッシュボードをカスタマイズでき、無関係な機能による混乱を避けられます。
権限グループのデメリット
上記ではメリットを見てきましたが、デメリットがあるのも事実です。
以下、ユーザー権限システムでの主なデメリットです。
- 権限を間違えて割当ててしまう危険性
- 多数のユーザー管理の複雑性
- 厳格な機能制限のため柔軟性が欠如する
- カスタマイズ性がない
権限を間違えて割当ててしまう危険性
適切な権限レベルの割り当てが難しく、時には過剰または不十分なアクセスを与えてしまうことがあります。
多数のユーザー管理の複雑性
大規模なサイトでは、多数のユーザーを適切に管理することが負担になることがあります。
厳格な機能制限のため柔軟性が欠如する
特定のタスクを実行するために一時的に権限を高める必要がある場合、システムが柔軟に対応できないことがあります。
カスタマイズ性がない
既定のユーザー権限が特定のサイトのニーズに完全に合致しない場合があり、カスタマイズが必要になることがあります。
※後述する、User Role Editorというプラグインを利用すればこのデメリットは解消できます。
新規ユーザーの登録方法
新規ユーザーをWordpressサイトに登録する方法には、いくつかのステップを踏む必要があります。
以下は、管理者が新規ユーザーを登録する一般的な手順です。
1. 管理者アクセス
まず、Wordpressのダッシュボードにアクセスするために、サイトの管理者としてログインします。
新規ユーザーを追加するには、管理者権限が必要です。
2. ユーザー画面への移動
ダッシュボードの左側のメニューで、「ユーザー」をクリックします。
次に、「新規追加」を選択します。
これにより、新しいユーザーを作成するための画面に移動します。
3. 必要な情報の入力
新規ユーザーの詳細を入力します。
以下の情報を入力します。
- ユーザー名(必須): ログイン時に使用する一意の名前。
- メールアドレス(必須): ユーザーの有効なメールアドレス。アカウント情報や通知が送られます。
- 名前と姓(任意): オプションで、ユーザーの実名を入力できます。
- ウェブサイト(任意): ユーザーが持っているウェブサイトのURLがあれば、これもオプションで追加できます。
- パスワード(必須): ログイン時に使用するパスワードの設定をします。
- ユーザーにこのパスワードをメールで送信する(任意): このオプションを選択すると、新しいアカウントの詳細がユーザーにメールで送られます。
4. ユーザー権限の割り当て
新規ユーザーに適切な役割(権限グループ)を割り当てます。
ドロップダウンメニューから「管理者」、「編集者」、「投稿者」、「寄稿者」、「購読者」のいずれかを選択します。
5. 新規ユーザーの追加
すべての情報が正しく入力され、適切な役割が選択されたら、「新しいユーザーを追加」ボタンをクリックします。
これにより、新規ユーザーアカウントが作成され、指定されたメールアドレスに通知が送信されます。
6. フォローアップと確認
新規ユーザーに連絡して、ログイン情報が届いていることを確認し、サイトへのアクセスが正常に機能しているかどうかを確認します。
既存ユーザーの権限を変更する方法
WordPressサイトの成長や変化に伴い、ユーザーの役割や権限を更新する必要がある場合があります。
以下は、既存のユーザーの権限を変更する方法です。
1. 管理者アクセス
最初に、新規ユーザー作成のステップと同じく、Wordpressのダッシュボードにアクセスし、管理者としてログインします。
ユーザーの権限を変更するには、管理者権限が必要です。
2. ユーザー画面への移動
ダッシュボードの左側のメニューで、「ユーザー」をクリックし、次に「ユーザー一覧」を選択します。
これにより、サイトのすべてのユーザーリストが表示されます。
3. ユーザーの選択
権限を変更したいユーザーを見つけます。
ユーザーをクリックして、そのユーザーのプロフィールページにアクセスします。
4. 役割の変更
プロフィール編集画面を下にスクロールすると、「権限グループ」または「ユーザー権限」というセクションがあります。
ドロップダウンメニューから新しい役割を選択します。
通常、選択肢には「管理者」、「編集者」、「投稿者」、「寄稿者」、「購読者」が含まれます。
5. 変更の保存
新しい役割を選択したら、ページの下部にある「更新」または「ユーザーを更新」ボタンをクリックして変更を保存します。
6. 通知と確認
役割が変更されたユーザーに通知することが好ましいです。
これにより、彼らは新しい権限に基づいて行動することができ、混乱や誤解を避けることができます。
また、変更後にユーザーが新しい権限にアクセスできることを確認してください。
必要に応じて、新しい役割に関連するガイドラインや期待を提供します。
権限を変更する際の注意点
- 権限を変更する前に、ユーザーが新しい役割の責任を理解していることを確認してください。
- 特定の役割にはサイトに大きな影響を与える権限が含まれている場合があるため、権限を変更する際には慎重に行う必要があります。
権限をカスタマイズできるUser Role Editor
WordPressのユーザー権限をさらに細かく設定したい場合、User Role Editorというプラグインがおすすめです。
このプラグインを使用すると、既存の役割をカスタマイズしたり、完全に新しい役割を作成したりすることができます。
User Role Editorとは
User Role Editorは、WordPressの権限管理を拡張するプラグインです。
このプラグインを使用すると、管理者はユーザー権限を細かく設定でき、サイトのニーズに合わせてカスタマイズすることが可能になります。
特定のユーザーに特定のタスクを許可したり、制限したりすることが簡単にできるようになります。
User Role Editorの使い方
以下、User Role Editorをインストールし、実際に使用する方法です。
インストールと有効化
- WordPressダッシュボードの「プラグイン」セクションに移動し、
- 「新規追加」をクリックします。
- 検索バーに「User Role Editor」と入力し、プラグインを検索します。
- プラグインをインストールし、有効化します。
既存のユーザー権限を変更する場合
- プラグインを有効化したら、ダッシュボードの「ユーザー」セクションに新しいオプション「User Role Editor」という項目が追加されています。それをクリックします。
- ロードされたページで、編集したいユーザーの役割を選択します。
- 役割に対して利用可能な権限(「キャパビリティ」とも呼ばれます)のリストが表示されます。チェックボックスを使って、その役割に追加または削除したい権限を選択します。
- 最後に「更新」ボタンをクリックします。
新しい役割を追加する場合
- User Role Editor画面の右側にある「権限グループを追加」ボタンをクリックします。
- 新しい役割の「権限グループ名 (ID)」と「表示する権限名」を入力します。「コピー元」を選択することで既存の役割から権限をコピーすることもできます。
- 必要な権限を選択して、「権限グループを追加」をクリックします。
役割を削除する場合
- User Role Editor画面の右側にある「権限グループの削除」ボタンをクリックします。
- 削除したい役割の権限を選択します。
- 選択後、「権限グループの削除」をクリックします。
User Role Editor使用上の注意点
- User Role Editorを使用するときは慎重に設定してください。不適切な権限の割り当ては、セキュリティリスクを引き起こしたり、サイトの機能に不具合を生じさせたりする可能性があります。
- 新しいユーザー役割権限を作成する場合は、その役割がサイト全体に与える影響を十分に理解してください。
User Role Editorを使うと、Wordpressサイトのユーザー管理がより柔軟になり、特定のニーズに合わせたカスタマイズが可能になります。
ただし、プラグインを使用する際には慎重な判断が必要です。常に変更の影響を考慮し、必要に応じてバックアップを取ることが重要です。
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まとめ
WordPressのユーザー権限を理解し、適切に管理することは、サイトのセキュリティを維持し、効率的に運営するために重要です。
各役割の特徴を理解し、適切なユーザーに適切な権限を割り当てることで、あなたのWordpressサイトはより機能的で安全なものになるでしょう。
ぜひ、本記事を参考にしてもらえると幸いです。