CSS、Sass、SCSS、LESSを徹底比較!結局どれが良い?
Webデザインの世界では、スタイリングとレイアウトを管理するためにHTMLとCSSという言語があります。
中でも「CSS」には効率性を上げる便利なプリプロセッサがあります。
プリプロセッサにはSass、SCSS、LESSといった種類があり、それぞれ特徴が異なります。
本記事では、そんな3種類の特徴や違いに関して徹底解説していきます。
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CSS、Sass、SCSS、LESSの違い
まずはCSS、Sass、SCSS、Lessの違いについて。
CSS、Sass、SCSS、LESSの比較表
特性/技術 | CSS | Sass | SCSS | LESS |
---|---|---|---|---|
構文 | 標準的なCSS構文 | インデント構文で{}と;が不要 | CSSに似た構文で{}と;が必要 | CSSに似た構文で{}と;が必要 |
変数 | なし | あり($変数) | あり($変数) | あり(@変数) |
ネスト | なし | あり | あり | あり |
ミックスイン | なし | あり | あり | あり |
継承/拡張 | なし | あり | あり | あり |
条件文/ループ | なし | あり | あり | あり |
コンパイル | 不要 | Sassコンパイラが必要 | Sassコンパイラが必要 | LESSコンパイラが必要 |
人気/コミュニティ | 最も広く使用されている | 広く使用されている | 広く使用されている | 広いがSass/SCSSほどではない |
特記事項 | 直接ブラウザで実行可能 | より簡潔な構文で高度な機能を提供 | CSS互換でありながら、強力な機能を提供 | JavaScript環境での使用に適している |
- CSS
- ウェブページのスタイリングに使用される基本的な言語です。
- Sass (Syntactically Awesome Stylesheets)
- CSSの拡張で、より簡潔な構文を持ちますが、基本的にはSCSSと同じ機能を持ちます。
- SCSS (Sassy CSS)
- Sassのすべての機能を持ち、CSSと互換性のある構文を持っています。
- LESS
- CSSの拡張であり、変数、ネスト、ミックスインなどの機能を利用できますが、Sass/SCSSほど広くは使用されていません。
CSS、Sass、SCSS、LESSの共有事項
CSS、Sass、SCSS、およびLESSはすべて、ウェブページのスタイリングに使用される技術であり、いくつかの共通点があります。
- 利用目的が同じ
- 最後は全てCSSに変換される
- どの言語もセレクタ、プロパティ、値は同じ使い方
- 変数の再利用ができる
- ブラウザ互換性
利用目的が同じ
これらの言語の主な目的は、HTML要素にスタイルを適用して、ウェブページのレイアウトとデザインを制御することです。
最後は全てCSSに変換される
すべての技術は、基本的なCSS構文を基礎としています。
Sass、SCSS、およびLESSは、CSSを拡張し、より強力で効率的な方法でスタイルを適用するための追加機能を提供しますが、最終的には通常のCSSにコンパイルされます。
どの言語もセレクタ、プロパティ、値は同じ使い方
これらの言語すべてで、スタイルはセレクタ、プロパティ、値を使用して定義されます。
セレクタはスタイルを適用するHTML要素を指定し、プロパティはスタイルの種類を指定し、値はプロパティの設定を指定します。
変数の再利用ができる
これらの言語はすべて、変数の再利用ができます。
Sass、SCSS、およびLESSは変数、ミックスイン、関数などを提供し、CSSも最近カスタムプロパティ(変数)などの新機能を導入しています。
ブラウザ互換性
最終的には、Sass、SCSS、およびLESSで書かれたスタイルは通常のCSSにコンパイルされるため、すべてのブラウザで互換性があります。
CSSとは
CSS(Cascading Style Sheets)は、ウェブページのデザインやレイアウトを制御するためのスタイルシート言語です。
HTMLやXMLなどのマークアップ言語で構造化されたコンテンツに対して、文字の色やサイズ、配置などのスタイリングを適用する役割を果たします。
CSSの特徴
- セレクタとプロパティを使ってスタイリング
- カスケーディング機能
- レスポンシブデザイン
- 外部ファイルの利用
- 変数の利用ができる
セレクタとプロパティを使ってスタイリング
CSSではセレクタを使用して、特定の要素やクラス、IDに対してスタイルを適用します。
プロパティと値を使って具体的なスタイルを定義します。
カスケーディング機能
CSSの「カスケーディング」は、複数のスタイルルールが同じ要素に適用される場合、どのルールが優先されるかを決定するメカニズムです。
特異度やソースの順序などに基づいて適用されるスタイルが決まります。
レスポンシブデザイン
メディアクエリを使って、異なるデバイスや画面サイズに対応したデザインをすることができます。
外部ファイルの利用
CSSは外部ファイルとして保存し、HTMLファイルからリンクすることが一般的です。
これにより、スタイルを一元管理し、メンテナンスが容易になります。
CSSをHTMLに読み込む方法に関しては【初心者用】CSSをHTMLに読み込む方法は3つ。それぞれわかりやすく解説します。で詳しいやり方を解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
変数の利用ができる
変数や関数、ネストなどの機能はネイティブではサポートされていません(ただし、最近のCSSカスタムプロパティを変数のように使用できます)。
style.css
1:root {
2 --primary-color: #4caf50;
3 --font-size: 16px;
4}
5
6body {
7 color: var(--primary-color);
8 font-size: var(--font-size);
9}
この例では、:rootセレクタ内で3つの変数(–primary-color、–font-size)を定義しています。これらの変数は、ページ全体で利用することができます。
CSSの記述方法
style.css
1/* CSSの例 */
2body {
3 font-size: 16px;
4 color: black;
5}
CSSのメリット
- シンプルな構文で初心者にはわかりやすい
- すべてのモダンブラウザでサポートされている
- コンパイルする必要がない
シンプルな構文で初心者にはわかりやすい
CSSは基本的なプロパティと値を使ってスタイルを指定するため、SassやLESSに比べて初心者にはわかりやすいです。
すべてのモダンブラウザでサポートされている
CSSはすべてのモダンブラウザでサポートされています。
そのため、特定のブラウザに依存することがなくなります。
コンパイルする必要がない
CSSは何もコンパイルすることなく、直接ブラウザ上で動作します。
そのため、余分なツールや設定なしで即座に結果を確認できます。
CSSのデメリット
- 再利用ができない
- コードの管理が大変
- 機能が限定的
- ネストが利用できない
再利用ができない
CSSは、変数や関数の概念が存在しないため、同じスタイルルールを何度も書く必要があります。
これは特に大規模なプロジェクトで時間と労力の無駄につながります。
コードの管理が大変
プロジェクトが大きくなると、CSSは追跡と管理が難しくなります。
例えば、特定のスタイルがどの要素に影響を与えるかを追跡するのが困難になることがあります。
よってCSSは大きなプロジェクト向きではないと言えます。
機能が限定的
CSSは基本的なスタイリングのみが使用可能です。
高度な機能、例えば条件付きルールや計算などは直接サポートしていません。
これは、複雑なデザインを制作するときに大きな制約となることがあります。
ネストが利用できない
CSSでは、スタイルシートの中にあるスタイルルールを他のスタイルルールの中にネストする(入れ子にする)ことができません。
これにより、コードの可読性とメンテナンス性が低下します。
SASSとは
SASS (Syntactically Awesome Style Sheets)は、CSSを拡張し、より強力で使いやすくするためのCSSプリプロセッサです。
SASSを使用すると、CSSでは利用できなかった変数、ネスト、ミックスイン、継承などのような機能を使うことができます。
SASSの特徴
- 簡略化された構文
- 様々な機能を利用できる(変数の使用、ネスト、ミックスイン、関数と演算、パーシャルとインポート、条件文とループなど)
簡略化された構文
インデントによるネストや省略可能な波括弧など、より簡潔な構文を提供します。
この構文は簡潔ですが、CSSとの違いに慣れる必要があります。
様々な機能を利用できる
変数の使用、ネスト、ミックスイン、関数と演算、パーシャルとインポート、条件文とループなどの機能を利用することができます。
- 変数
- ネスト
- mixin(ミックスイン)
- 関数と演算
- パーシャルとインポート
- 条件文とループ
SASSの書き方
SASSでは、セミコロンと波括弧を用いないインデントベースの構文が特徴です。
それぞれのプロパティは新しい行に書かれ、インデントを用いてそのプロパティがどのセレクタに属しているのかを示します。
基本的なSASSの書き方は以下です。
style.sass
1// Sassでの変数定義
2$primary-color: blue
3$padding: 15px
4
5// 変数を使用
6body
7 background-color: $primary-color
8 padding: $padding
9 nav
10 height: 50px
11 background: #333
12 a
13 color: #fff
この例では、nav内のaタグはネストされています。
CSSでは次のようになります。
style.css
1body {
2 background-color: blue;
3 padding: 15px;
4}
5
6nav {
7 height: 50px;
8 background: #333;
9}
10
11nav a {
12 color: #fff;
13}
このように、SASSを使用するとCSSの記述をより短縮し、読みやすくすることができます。
また、変数やミックスイン、関数といった強力な機能も利用可能で、大規模なプロジェクトでのスタイルの管理を大幅に簡単にしてくれます。
SCSSとは
SASSの初期のバージョンでは、CSSとは異なるインデントと空白に基づく構文を採用していました。
この独自のシンタックスは、特にRubyコミュニティから高い評価を得ましたが、一部の開発者からは反感を買いました。
このためSass3で新たな拡張CSS互換構文が導入され、この新しい構文がSCSS(Sassy CSS)となりました。
SCSSの特徴
- SCSS(Sassy CSS)はSassの一部
- Sassと同じ機能を持っている(変数の使用、ネスト、ミックスイン、関数と演算、パーシャルとインポート、制御ディレクティブなど)
SCSS(Sassy CSS)はSassの一部
SCSSはSassの機能すべてをサポートしているため、Sassの一部と見なされます。
どちらの構文も基本的には同じ機能を提供しますが、書き方と読みやすさに違いがあります。
Sassと同じ機能を持っている
SassとSCSSの主な違いはその書き方と読みやすさにあるため、使用できる機能(変数の使用、ネスト、ミックスイン、関数と演算、パーシャルとインポート、制御ディレクティブなど)はほぼ同じです。
SCSSの記述方法
SCSSはCSSと同様の構文を採用しており、セミコロンと波括弧を使用します。
style.scss
1// SCSSでの変数定義
2$primary-color: blue;
3$padding: 15px;
4
5body {
6 // 変数を使用
7 background-color: $primary-color;
8 padding: $padding;
9 nav {
10 background-color: red;
11 }
12}
CSSでは次のようになります。
style.css
1body {
2 background-color: blue;
3 padding: 15px;
4}
5
6body nav {
7 background-color: red;
8}
Sass/SCSSの詳しい書き方や使い方に関しては【Sass】SCSSとは?書き方やlive sass compilerでの使い方を徹底解説!で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
LESSとは
LESSは、CSSのプリプロセッサ(前処理器)で、ウェブ開発者がより効率的かつ動的にスタイルシートを管理できるように設計されています。
使用できる機能はSassやSCSSとほぼ同じですが、変数の記述方法が異なります。
また、LESSはJavaScriptベースであり、クライアントサイド(ブラウザ内)またはサーバーサイド(Node.jsなど)でも実行できます。
LESSの特徴
- 変数の記述がSassとは異なる
- Sassと同じ機能を持っている(変数の使用、ネスト、ミックスイン、関数と演算、パーシャルとインポート、制御ディレクティブなど)
- サーバーサイドでも動作が可能
変数の記述がSassとは異なる
LESSの変数は、@
記号で始まり、セミコロンで終わります。
SassやSCSSと同じ機能を持っている
LESSの使用できる機能(変数の使用、ネスト、ミックスイン、関数と演算、パーシャルとインポート、制御ディレクティブなど)はSassやSCSSとほぼ同じです。
サーバーサイドでも動作が可能
JavaScript環境で動作し、クライアントサイドまたはサーバーサイドでコンパイル可能。
LESSの書き方
LESSでは$マークの代わりに@マークを使用します。
style.less
1// LESSでの変数定義
2@primary-color: blue;
3
4body {
5 color: @primary-color;
6 .link {
7 background-color: @primary-color;
8 }
9}
CSSでは以下のようになります。
style.css
1body {
2 color: blue;
3}
4
5body .link {
6 background-color: blue;
7}
CSS、Sass、SCSS、LESSの使い分け方
CSS、Sass、SCSS、LESSの使い分け方は大まかに以下に分けることができます。
言語ごとの使用場面
CSSを使用する場面
- 小規模または単純なウェブサイトで、高度なプリプロセッシング機能が必要ない場合。
- 開発速度を最優先し、追加のビルドステップを避けたい場合。
- チームがプリプロセッサの使用に慣れていない場合。
Sassを使用する場面
- 大規模なプロジェクトで、コードの再利用性と保守性を高めるために高度な機能(変数、ミックスイン、ネストなど)が必要な場合。
- 複雑なデザインやテーマを効率的に管理したい場合。
- Ruby環境がすでにセットアップされている場合(ただし、Node.jsを使ったSassのコンパイルも可能です)。
SCSSを使用する場面
- CSSとの互換性を保ちつつ、Sassの強力な機能を利用したい場合。
- 既存のCSSファイルを簡単にSCSSに移行したい場合(構文が非常に似ているため)。
- 広範なコミュニティサポートと豊富なリソースを利用したい場合。
LESSを使用する場面
- JavaScriptベースのプロジェクトや、既にNode.jsを使っているプロジェクトで、プリプロセッサを導入したい場合。
- CSSに似た構文で、簡単に学べるプリプロセッサを探している場合。
- 実行時にクライアントサイドでLESSをコンパイルする柔軟性が必要な場合(ただし、通常はサーバーサイドでのコンパイルが推奨されます)。
プロジェクトやスキルレベルごとの使用場面
①プロジェクトの規模
プロジェクトの規模は、言語を選択する際の重要な要素です。
小規模なプロジェクト
小規模なプロジェクトや単純なWebページでは、CSSの方が簡単で手軽にスタイリングを行うことができます。
中・大規模なプロジェクト
大規模なプロジェクトではSass、SCSS、またはLESSのようなプリプロセッサがコードの管理と拡張を容易にします。
②チームのスキルレベル
チームのスキルレベルも、言語を選択する際に参考になる要素です。
初心者や非開発者がいるチーム
開発チームのスキルレベルも、CSSとSCSSの選択に影響を与えます。
CSSは学習曲線が緩やかで、比較的簡単に勉強できます。
そのため、初心者や非開発者がいるチームでは、CSSが良い選択となるかもしれません。
経験豊富な開発者がいるチーム
一方、SassやSCSS、LESSは学習曲線がやや急ですが、使いこなすことで非常に効率的にコーディングを行うことができます。
そのため、経験豊富な開発者がいるチームでは、SassやSCSS、LESSを採用すると良いでしょう。
③メンテナンスと拡張性
プロジェクトが短期的なものなのか、もしくは長期的なものなのかによってもCSSやSass、SCSS、LESSを選択する際に参考になる要素と言えます。
短期的なプロジェクト
CSSは直感的でシンプルな構文を持っていますが再利用性や拡張性が限定的です。
短期的なプロジェクトは拡張性やメンテナンスがあまり必要ないと言えるのでスタイルシートがシンプルなCSSを選択するのがベストです。
長期的なプロジェクト
一方、Sass、SCSS、LESSは変数やミックスイン、パーシャルなどの機能により、再利用性と拡張性が高いです。
このため、長期的にメンテナンスや拡張を行うプロジェクトでは、Sass、SCSS、LESSの採用を検討すると良いでしょう。
まとめ
以上、CSS、Sass、SCSS、LESSの違いやそれぞれの書き方、そして使い分け方について解説してきました。
それぞれの違いを理解し、より適切なツールを選ぶことで、Webデザインの世界はさらに広がります。
ぜひ、ご自身のプロジェクトに役立ててください。